研修プログラム

Acute Care Surgeryを志す君たちへ

1,Acute Care Surgery講座

 “Acute Care Surgery”とは2005年に米国外傷学会(The American Association for the Surgery of Trauma ; AAST)が提唱した外傷外科(trauma surgery),救急外科(emergency surgery), 外科的集中治療(surgical critical care)の3つを一体として取り扱い診療提供する新たな外科診療領域です。

 欧米諸国においては,外傷患者に対する外傷学という領域が教育されてきましたが,日本においては専門的に教育する診療科は存在せず,救急医学や外科学の一部として触れられるに過ぎませんでした。しかし,日本においても日本Acute Care Surgery学会が誕生し,日本においても外傷外科,救急外科の研究,教育および系統だった外傷システムの中で臨床提供できる講座の必要性が高まり,2016年に島根大学に新たな講座として,日本で初めての「Acute Care Surgery講座」が誕生しました.

 

2,Acute Care Surgery講座の診療領域

 

Acute Care Surgeryacs

 

 当講座の使命は,Acute Care Surgery の三つの柱です,外傷外科,救急外科と術後集中治療における教育,研究および診療です. 外傷外科に関しては,外科手術に限定することなく外傷学全般を対象とし,幅広い外傷診療を展開しています. 病院搬送後の初期診療,さらにはそれ に引き続く高度な外傷外科診療を行っています.病院前診療においても,ドクターカーおよび防災ヘリを用いて,シームレスな外傷診療体制を構築しています. 救急外科領域では,敗血症性ショックなど患者の生理学的徴候に破綻をきたす救急外科疾患を専門としていますが,急性腹症手術に関しては症例の重軽を問わず,幅広く手術適応症例に対応しています.重篤な症例は外傷,内因性疾患にかかわらず術後の集中治療は必須と言えるため,集中治療部と連携して術後の集中治療管理を行っています.また, 当講座のスタッフは救命救急センターでの業務を兼任しています.

 

3,臨床内容

 現在,本学附属病院には国立大学で初,日本では8番目となるHybrid ERを備えた高度外傷センター棟が2017年8月に設立され,従来の二次医療圏の範囲を超えて幅広く全県を対象に患者を受け入れています。

スタッフは,教授1名,講師1名,助教4名,医員1名の計7名に加え,救命救急センター医師協力して診療に当たっており,重症外傷,多発外傷の初期診療から頸部体幹部手術を担当しています.整形外科,脳神経外科および歯科口腔外科領域の外傷に関しては各診療科と連携し,当科が全体のマネージメントおよび管理を行いつつ,専門診療科の外科的スキルが必要な場合は迅速に各診療科の協力を得て手術を実施することとしています.救急外科においても適切と判断される症例では, 腹腔鏡手術を積極的に導入しております.

 また,全員がDMAT隊員であり,統括DMAT4名と,災害医療に対しても当講座が中心となって,活動しています.

 日常の診療においては,多職種カンファレンスが開かれる火曜日は7時30分から,その他の日は8時30分からカンファレンスが開催され,診断および治療方針の確認を行い, リーダー医師を中心に, 精度の高い診療を行っています. A,B,C,Dに異常がある救急患者,外傷患者の入室や多数傷病者の発生に際しては,トラウマコード, ACEシステムなどの緊急招集システムを用いて, スタッフが参集し全力を挙げて救命に当たります。

 2交代制を導入しており, on-offのはっきりした勤務体系となっており, 疲労が蓄積しないよう配慮され, 24時間365日,質の高い診療を提供しています。

  Hybrid              Dr.car

4,教育体制

 スタッフは全員が外科専門医を有し,消化器外科専門医3名救急科専門医3名集中治療専門医2名外傷専門医1名, 社会医学系専門医・指導医(日本集団災害学会)を3名が取得しています。

 また,全員がJPTEC,JATEC,MCLS,SSTT,ATOM,DSTC,PCキューブ,ICLS,BLS,ACLS,FCCSなど,救急,外傷,集中治療領域のoff the job trainingのインストラクターを務めています.

 5名が学位を取得し,1名が大学院に入学しており,外傷患者における循環動態モニタリングや虚血腸管のviabilityの評価などをテーマに研究も行われています.

 日本外科学会, 日本消化器外科学会, 日本臨床外科学会日本救急医学会, 日本臨床救急医学会, 日本腹部救急学会, 日本Acute Care Surgery学会, 日本集中治療学会などの総会においても教育講演, シンポジウム,パネルディスカッション等の上級演題での発表を多く行っており, スタッフの指導の下, ポリクリの学生や研修医の先生方に学会発表して頂いています.

 

5,研修プログラム

 

 日本初のAcute Care Surgeryを専門とする医師を養成する専攻医プログラムです.

Acute Care Surgeryの3本柱である, 外傷外科(trauma surgery),救急外科(emergency surgery), 外科的集中治療(surgical critical care)のプロフェッショナルを目指します.

 具体的には, Acute Care Surgery講座に所属し, 島根大学医学部附属病院救急科専門研修プログラムを1年間から3年間,それそれの希望に併せて履修します. 最終的に8年目程度までに救急科専門医および外科専門医の両方の取得を目指します. 関連施設として,島根県立中央病院や大阪府立泉州救命センターを有しており,県内外での研修も可能です. JPTEC,JATEC,MCLS,SSTT,ICLSなどのoff the job trainingコースは当講座で主催しており,当講座で支弁し負担無く受講可能です.

 救急専門医や外科専門医取得後は,希望に応じて, 消化器外科専門医, 集中治療専門医, 外傷専門医などサブスペシャリティ専門医の取得や, 大学院に入学し, 学位取得を目指すことが可能です.

 また, 当講座の医師は救命救急センター専従医でもあるため, 救急領域全般の診療に携わることが, 幅広い救急医療を研修することができます。

 

6,最後に

 我々は, いわゆるNon-technical skillsを非常に重視しています.患者さんそのご家族,コメディカル, 医療に関わる様々な方々の協力なくして, 診療は成り立ちません.

 患者さんを救命する技術やシステムは, 情熱をもって教えますので, 安心して当講座に飛び込んできてください.

 すべては救命のために, 我々とともにAcute Care Surgeryの高みを目指してみませんか?

そんな情熱をもったあなたをお待ちしています。

 

入局希望などに関するご質問はホームページ内「お問い合わせ」より随時受け付けております。

 

集合写真

 

7,リンク

島根大学医学部附属病院救急科専門研修プログラム

 

このページのトップへ